こちらの製品の特筆すべきは、その整髪力、艶、洗い落としやすさにあります。超剛毛の短髪者にとっては特にそのうちのクックグリースは必需品ではないでしょうか。また、またラバー系の整髪力に引けを取らない強力な整髪力を発揮しながら、お湯だけで奇麗に落ちてしまうという攻守兼ね備えた最強の整髪料群になります。年頃のお子さんがいらっしゃる方は教えてあげるといいかもしれませんよ。若干古いんで知らない可能性が高いと思います。
小学校の時は坊主でした。髪は中学生から伸ばせるんです。当時の自分は、髪さえ伸ばせればビーズの稲葉さんのようになれると本気で思っていました。ただ、髪を伸ばせないからこんなにちんちくちんなだけだって確信していたんです。
それでいざ伸ばしたら、頭がもともとでかい上に超剛毛が頭皮に対して垂直に伸びる毛穴の癖があったんで、小太りの直毛のマルアン・フェライニみたくなってたようです。でも、自意識の中では自分は未だに稲葉さんでしたし、周りの友達も社交辞令を言ってくれていました。裏ではぼろ糞に言われていたのはだいぶ後になってで知りました。
ある時、軽い知的障害のあるユウ君が、「〇〇君の髪型、ヘルメット2個被っているみたい」と私に言いました。周り一同大爆笑になり、私はユウ君を睨んでそこから立ち去りました。
ユウ君は雰囲気なんて読みません。いつも、言いたいことを言いたいときに言います。あの周りの笑われ方からして、僕は稲葉さんになれていないのかもしれないと疑いを持って鏡をみると、頭が爆発したような小太りの自分がはっきり認識できました。それから、こっそりユウ君に「どんな髪型が似合うかな」と聞くと「短くして薬(整髪料)付けた方がいい」言いました。
髪を切った次の日ユウ君が、洗ったジャムの瓶に、お兄さんから拝借した当製品を僕に持ってきてくれました。塗ってみたらどんどん頭が小さくなって、つやつやで3年生にでもなったような気がしました。僕は今も、ずっとその時の髪型です。
それからはなんでもユウ君に聞きました。彼だけは本当のことを言ってくれますから。以外に説得力のある解説をする上に歯に衣を着せないために、特に恋の悩み相談では傷つきました。でも、勉強の悩みには「だいじょうぶだ」といつも太鼓判を押してくれました。卒業するとユウ君とは違う高校になりました。それから、すぐにユウ君は亡くなってしまいました。田んぼで脳の発作が起こって顔が水田に浸かり息ができなくなってしまったからでした。
初老になると、もう誰も何も言ってくれません。今、ユウ君が生きてたら、僕になんていうかなと思う時があります。「痩せなきゃ。髪の毛生やさなきゃ。髭剃らなきゃ」など、止まらないでしょうね。でも、「彼女ができたし、子供がいるんだぞ」って言えばびっくりすると思うんです。