携帯用トイレ「※メーカー問わず」

 高速道路の渋滞中著しい尿意に襲われた。いや、違う。激しい尿意を我慢している時に渋滞が起こった。完全に停止した社用車の後部座席で、「道交法としては、このような場合路肩に出ていいのか?」「そこで用を足すのは公然猥褻罪に当たらないのか?」等、やたらに理屈っぽく、ちまちまと考えていた。その中でも時間は確実に過ぎ、私の膀胱の貯水力は限界に近づいていく。
 その時、私の車の前のトラックの運転手さんが、車から出て路肩で小用を足された。胸を張って堂々と。誰にも文句を言わせない神々しい所作に見えた。その光景に羨望と安心感を感じた瞬間、私の膀胱が決壊した。暖かい温度が私の下半身を包み、グレーのスラックスは大きな黒いシミを描き、フェイクレザーの座席のステッチの谷は黄色い川となった。
 その後の話はしたくない。そんな状態で顧客に会えるはずもなく、着替えを買う時間などもなかった。上司にどのように報告したかも、話したくない。コミカルな話だが、結果は深刻で辛辣だった。「大人のお漏らし」はことのほか重罪だったとだけ伝えたい。

 一般的な携帯トイレは、あくまでも私見だが、容積と重量はポケットティッシュ2個分程度であることが多い。付属の品を取り去れば一層の小型軽量化ができるかもしれない。どんなに小さなバッグにも、容易に搭載できるだろう。受け口も柔軟性のある素材でかさばることもない。今のところ私には実使用がないが、十分な使い勝手が想像できる。本製品は、「お漏らしが許されない大人」のみならず、お子様のいる親御さんにもぜひお勧めしたい。お子様の自意識・プライドは若年でも意外なほど高いものだ。

 私は今回の一件で、所有するすべてのバッグに携帯用トイレを搭載した。尿のコントロールに過剰なほど神経質になったので、もしかした今後使うことはないかもしれない。ただ、このことで得られる安心感が計り知れない。また、長男が尿のできない場所で尿意を催した時には、さっと本製品を手渡すつもりだ。オムツが取れてからの話だが。